こしあん日記

MURAバんく。の土屋のぐるぐるとした日記である。

22-08-26 バイトリーダーと間違えられる

あまり良くない動機ではある。

エネルギーをそこまで吸い上げられず、隙間の時間でシフトを入れられるバイトを探した。

そして、見つけたワクチン接種会場での派遣バイト。今日はその初日であった。

 

今回の日記は「気まず…」「うわ、恥っず…」といった共感生羞恥をやや高めに上げてしまう内容となってしまうため、共感力の高い方はお控え頂きたい。

では、参ろう!

 

夕方前、集合場所の記載がアバウトであったため、少し早めに到着した。

すると、白いカッターシャツの集まる人が見えた。

あれ、カッターシャツ

え…、え!?

襟付きのシャツってカッターシャツのこと…!?!?

 

私はフレッドペリーのポロシャツを着ていた。

しかも、前日に人からお借りした。(桂さん、ありがとうございます)

ひとまず、その集団の端で素知らぬ面を決め込みただ突っ立った。

 

すると、通り行く(見たところ若若な)カッターシャツの青年が私に会釈をした。

 

まずい。

 

続く人も私に会釈をし、挙句通り行く人々が私に会釈をして入り口付近に集まってきた。

 

まずい!!!!!

 

TPOに合わせてキラキラ調整のできる若若な派遣バイトのみんなが私に会釈をして通る。

そこには「おはようございます〜!」「お願いします〜!」の意を感じた。

 

まずい!!!!!

バイトリーダー(?)と思われている!!!!!

 

直ぐにはずれに出た。

そして、ポロシャツで大丈夫なのか連絡を取ってみた。

結果、ポロシャツも可能だということだ。

しかし、私以外にその格好の人は居なかった…。

くぅぅ〜〜〜。

 

っとなりながら先程集まっていた所に戻ると、そこには誰一人と居なかった。

そろそろ点呼の時間だ。

あれ、会場の中へ既に移動してたのだろうか。

 

会場に入り、ロビーでその旨をお伝えして場所を聞いた。

言われた通りに階段を登り、指定されたホールに入った。

すると、先程より少人数の人の集まりが見えた。

 

あれ?さっきのはまた違う集団だったのかな?

そう思いながらもなけなしの気持ちと明るく挨拶をした。

 

「お疲れ様です!」

 

すると、カッターシャツを身に纏った面々が一斉に振り返り、空気がピタッと止まった。

 

「え…ポロシャツ……?」。

それぞれの頭上に?マークの付く音が聞こえた。

皮肉なほどに綺麗に同じタイミングで鳴った。

そして、私の頭上にも薄〜く?マークが明滅し始めた。

 

あれ、ここ幹部の集まりじゃね?

 

奇しくもその予感は大的中。

「まだ早いからあっちで待っててね」と指定された場所へ向かった。

しかし、誰も居ない。

 

やっっば。

完全にカッターシャツ軍団と離れてしまった。

即座に立って、先ほどの少人数カッターシャツ集団にバレぬように、音を立たずその場から離れてホールを出た瞬間に私は走り出した。

 

なんでこうなるんだアアアアア!

 

一階に戻ろうと階段を降りようとした瞬間、脊髄で感じた。

多くの人の目を…。

 

階段を降りた先に、弧を描くように並ぶカッターシャツ軍団の面々が顔を上げている。

「あ、さっきのポロシャツはバイトだったのか」。

 

凄く高校の時を思い出した。

修学旅行先で腹を壊し集合に間に合わず、もう整列しているカッターシャツ軍団にバレずに溶け込もうとする、あの感じ。

 

私は階段をスッと降りて「上の方は何も異常ありませんでした」と伝えるような体裁を取り「すみません、土屋と申します。〜」と代表らしき人に事情を説明して、何とか諸々間に合った。

 

それからはスムーズであった。

空く時間が多かったため、同じグループになった高校1年生、大学1年生の青年と話す機会があった。

それから、ひとしきりを終えた後「お疲れ様〜!」と看護師さんたちが集まり雑談をしているのが凄く良くて、何か凄く元気をもらった。

 

2、3年前とは確実に変わった日常を我々は過ごしているんだな、とふいに思った。

あの当時感じた非日常感も、もうスタンダードな日常になっている。

色々辛みもあるけれど、接種が終わり撤収作業までの空いた時間の光景を過ごす時に思った。

 

私たちのいる世界線は、わりと特殊な文化やご縁で溢れている。

制限されてしまった側面もあれど、だからこそ知り合えた人もいるのだ。

だったら、とことんその箱庭の中でのあそびを発見していきたい。

単純だけど大切なことを忘れてしまっていた。

 

帰る中でその青年に最近録ったばかりのMURAバんく。の曲を聴いてもらった。

気を遣ってくれちゃうかな…と少し不安だったが、イヤホンを外し「これは楽しい音楽ですね」と感想を話してくれた。

 

やったーーー!!嬉しいーーー!!!ひゅーーひゅーーー!!!と胸中で盛り上がるも「嬉しいです」とまた談笑をした。

彼がまたどこかのタイミングでベースを持ち直してくれる時をそっと楽しみにしている。