22-08-25 クエストラブ探しat.渋谷
吃驚した。
吃っっっっっっっっ驚した。
棚の一つ向こう側にクエストラブがいた。
クエストラブが、棚の一つ向こう側にいたの
だ!!!!!
っっっだ!!!!!
マジやばくね!?!?!?(CV : 長縄まりあ)
(一応説明しておこう。
クエストラブとはディアンジェロの『voodoo』でもドラムを叩いている世界的な、そして大好きなドラマーなのである。
プレイリストも存在するので、是非聴いておくれ)
しかし、え、クエストラブじゃね?と半分の「信」と半分の「疑」が生まれた瞬間、私はバイト中だったのだ。
故にスマホも触らず、ただモヤモヤするだけ…
っておおおおおおおい。
バイト先にクエストラブ来ちゃってるんですケドオオオオオオオオオオオオオオ。
今回ばかりは銀魂訛りが出てしまうのも許してほしい。
まとめると、バイト先で棚の一つ向こう側でクエストラブと思しき人が居たのだ。
バイト先の共通言語は基本ゲームなので、音楽の話はできない。
だから「あれ?クエストラブじゃないすか?」は通用しない。
だとしたら…。
「アーユー、クエストラブ??」
…無理無理無理無理無理。
無理だって。無理だってば!!!
先輩に「あの方、かなりの大物ミュージシャンの方かもしれないです…」とうじうじしていると「話しかけてみればいいじゃん」と言われた。
え、「アーユー、クエストラブ??」って??
っ無理ーーーーー!!(CV : 山本博)である。
ロバートのコントの落ちを早くも出だしで叫んでしまった。
しかし、案を考えるには考えた。
私は中学英語しか喋られないのでカタカナで失敬する。
ハイ〜!(元気に怪しまれず!)
ア〜、ドューユーライク ミュージック?(手振り加えて!)
「...Yes」
オー!ミートュー!ミートュー!!
ソ〜、ドューユーライク ビート……!?!?(信じる面持ちで!)
「Yes」
オオオ〜〜、
アーユー クエスト、いや無理無理無理無理。
そんなつめ方すんなし。リスペクトがありあまり、手も足も出せない。
そう、本当にこういう状況に出会した時に人は手も足も出なくなってしまうのである。
結果的に私は好機を逃し、休憩に入り確認してみると矢張り本物だということに気づき大ショックを受けた。
高校の時「徘徊」というプレイリストを作った。
真夜中にそれを聴きながら深夜徘徊をしていた。
彼のビートには色んなタイミングで救われてきたのである。
多大なる感謝があるのだ。
それだけでも伝えられたら良かった。
しかし、時すでに遅しであった。
休憩に入った途端、私は十勝パンを一気食いした。そして、渋谷の街へ飛び出した。
きっとまだこの何処かには居るはず。
私はクエストラブさがしを決行したのであった。
連想されるレコ屋に行った。
しかし「ああ、もうさっき出てかれちゃいましたね…」と。オウマイ…。
私もハイになっていた。
店先で呼び込みのお姉さんに尋ねていたのだ。
「すみません、(スマホ画面を見せて)この方…見てないですか…!」。
すると「んん、似た人を何人か見てる気がする!お役に立てず、ごめんー!」とお姉さんは低いジャンプしながら応えてくれた。
かわいい!!!
そして、めちゃカジュアル!!!!!
想定外のタメ口という距離感にだけ少し圧倒されながらも、その時の私は目もくれずスペイン坂へ戻った。
しばらく待つも入れ違うことも無ければ、会うことすらなかった。
その後、通ったであろう道にいた音楽通と思しきヘッドホンをしたお兄さんに中学生英語で話しかけていた。
「いや、知らないな。僕音楽もそんなに詳しいくないんだ。
君はこの人のファン?シンガーなの?」
(偏見で)複数の条件が一致し、声をかけたのであろうが、まるでヒットしなかった。
最高のドラマーだから是非聴いてくれ、と唐突な布教をして職場へ戻った。
その後、退勤まで私は先輩に驚かれるほどに英語での接客に応対していた。
やけになっていたというか、あまりにもショック過ぎて何かを取り戻そうとしていたのであろうか。
英語に慣れたいという気持ちがあったのだろうか。
海外の大物ミュージシャンが徐々に来日していきている。
意外と側に居るものだ。
あなたも決して好機を逃さぬよう、心掛けるのだ。
そして、時に勇気を振り絞れるよう鍛錬するのだ。