22-08-13 コミケに参加する
人が凄い、セクシーを
井の頭公園の白々しさの正体
うわ、太イニシエの間隔やん。
台風の気配漂う国際展示場、朝。そこには人の渦が巻き起こっていた。
コミックマーケット100。記念すべき100回目にて初コミケ、そして初出店。
この日のために初めて漫画の短編を描いたのだ。
そわそわしながらも同じサークルの先輩と合流し、ほぼ無言のまま会場入りを果たす。
台風の日の朝にほぼ無言で居られるのは助かる。
徐々にエンジンをかけていった。
ブース設営が完成すると、会場にアナウンスが流れた。
誘導するスタッフに運営らしきスタッフを見かけると、本当にみんなで作り上げてきたイベントなんだなと感動した。
先輩と店番を交代しながら会場を歩いた。
私の鍵つき趣味垢(Twitter)とはもう10年以上の付き合いになる。最も信頼できる情報網があるといっても過言ではない。
検索欄で「c100」「@土曜」と打ち込むと数々のファンである絵師さんたちのアカウントが挙がった。
今までタイムラインで見てきたものが、目の前に存在するモノとして置かれているのだと…!?そう思うとウズウズして、行きたい場所全部メモした。
その中で二次元でも三次元でもなく、己の美をまっすぐな次元で追求するとあるコスプレイヤーさんもブースを出していた。
それもセクシーコスプレイヤーさん。
えちえちなコスプレイヤーさんである。
これは絶対に行かねば…!!!
「ちょっとフラッと周り見てきます」と先輩に伝え、そっと東館から脱出した。
西館は思った以上に遠かった。
我々は創作ブースであったため、音楽やゲーム、同人といった他のブースを眺めるのもおもしろかった。
遠くに人だかりができている。
あ、あそこだ!!
あくまで私は知らない世界を覗き見る気持ちで歩を進めた。
その通りはまさにえちえちロードであった。
それぞれの趣味という趣味なモノやファッションでとても賑わっていた。
もうかなりギリギリな格好の人もいた。
しかし、不思議なものだ。多少の下心を携えながら行ったものの、まるで異世界へ転生したような気持ちになった。
現代におけるコンプライアンスの向こう側の世界。
しかし、そこは断じて無法地帯などではなかった。
出店者とファンの信頼度の高さが、それぞれの距離感から凄く伝わった。
リスペクトと感謝の念が溢れている。
エロに度直球だからこそ、寧ろそこに白々しさなどなかった。
ああ、なるほどなあ。井の頭公園のワイワイに時に感じた白々しさは所謂持ち帰りなど、趣旨がぼやかされた空間に白々しさを感じてしまうのか。
だからこそ、気が引けるようでそれがやり切れる羨ましさがあったのか。
そのぼやかし空間で役に入り込むように「やってる」ができない人間だから、私はリアルヒップホップでしかいられないのだろうか。
まさにその趣味を密やかに嗜む人のだけのモノという冊子を眺め、創作意欲に感動しながら進むとスマホに表示されたブースの番号に辿り着いた。
あ、本物だ!!!
人だかりの海の向こうに顔が見えた。
ひょこっと背伸びをしてみた。
…あ!服、着とる!!!!!
服を、着ておられる!!!
服を着ておられた。
しかし、矢張り放たれる華やかさというものは凄まじかった。
私はそのキラキラを浴びにいきたかっただけである←
自分達のブースに戻ると「お、2冊売れたよ」と先輩は相変わらず感情の見えぬ面持ちで言った。
よかったよかった、まずは人の手に無事渡って良かった。
ファンもいない中同人でもなくオリジナルを売るのはほぼ無理な話なのだ。
買ってくださった方に感謝である。
それから数時間。冊子もちらほらと無事人の手に渡りアナウンスが流れて我々は撤去する準備を進めた。
先輩と冬コミに出ようという話になった。
今回の反省点、実際に出てみて分かったこと、そして色々回って発見した気づき。
それらを共有して「次こそはけさせるぞ」とほぞを固めた。
私は音楽をやっている身であり、今回はお試しの感覚で始めたが、しっかり向き合ってみて楽しさと辛さを思い知った。
次こそ行列ができるように、冬に向けての作戦を実行して技量も上げられるように進めよう。
ブースの片付けが済み、さあ駅へ向かおうとした時「あの…さ、西館って行った?」と先輩に問われた。
「YES」と言うと「あれは目のやり場に困ったわ…」と笑っていた。
いや、あなたこそ行ってたんかいなんて思いながらりんかい線の電車に揺られ爆睡した。
その漫画は通販も行う予定なので是非チェックしておくれ。
AKAHON vol.1という短編集で「ザ・フィッシュマン」という漫画を描いた。
原案は中学の時にあったものなので、まさか今になって完成するとは、とその時の同級生に連絡しようと思ったが…。思ったまま終わるパターンのやつですな。
ふぁーーー