こしあん日記

MURAバんく。の土屋のぐるぐるとした日記である。

22-08-31 夏かぶり

夏を被っているのかと思うほど髪が伸びた。

 

いつも行く美容室が値上がりしてしまい、場所を変えようとも億劫になり夏かぶり状態になってしまっている。

 

そもそも髪を切る回数は年4回にしたい。四季の節目に切りたいのだ。

「あれ、土屋髪切った?ああ〜、ということは季節の変わり目ですかぁ」と、気温と風と虫の他に季節の訪れを示すもの、それは「髪」なのである。

 

秋の足音の微かに聞こえる葉月の最終日。

私の伸びた髪を見てバイトの先輩は「エロゲの主人公か」と言った。

 

これはオタク界隈でよくある会話で「髪の毛伸びたね、やばいよ」という意である。

そして「この長さは、やばいんじゃね?」と続けた。

アッと本来行間に隠れているはずの言葉が人の声に乗せられた時に脊髄は反応する。

 

私は先輩にワックスの上位互換のような何かをお借りしてトイレへ向かった。

これはそうとう「やばい」と鏡に映る夏の毛量をかき上げた。

創作オールバックを試してみたのだ。

 

しかし、この莫大な毛量はコントロールできず「垢抜けたいオタク」といった丁度嫌な状態に落ち着いてしまった。

そして、仕事場に戻るとこめかみに悲鳴が鳴った。

 

LEDがまっっっぶしいいいいいい…

 

ONAIRにポンと明かりがつくように、強めな偏頭痛に苛まれた。

今までは前髪がカバーしてくれていたのだ。

しかし、仕方ない。休憩まではなんとかこの状態を保持した。

 

そして訪れた休憩時間。

あ、と思い出したかの様にセンター分けにした。

昨日雨で髪が濡れており、センター分けにしてカツラさんに「オタク感抜けましたか?」と聞くと「ああ、いいんじゃないですか」と細やかな気遣いも垣間見える貴重な返答を頂いた。

 

まあ、髪型は楽だったら実際何でも良いんですけどね〜!という体裁と「ひとまず分けてみました」と先輩のワックスにも若干の物足りなさを感じながら仕事に戻った。

 

(さあ、LEDよ)と出方を伺いながらいると、なんとセンター分けにしたことにより目に入る光量は丁度良い…!

そして、デコが出ていることにより何とか清潔感を演出し(と信じている)この長さでのセンター分けは丁度良いバランスなのでは…!?と思った。

 

治まるこめかみを愛でていると、主婦の先輩から声をかけられた。

「あれ!?今日ちゃんとした感じだったっけ!?」

 

おおおう、ちゃんとした感じだとは思われていなかったようだ…!

それもしょうがない、先程までの自分が恐いほどだ。

 

この日から私は無理やりセンター分けをしている。

無理やりのセンター分けなので、ああいうかき上げたセンター分けではなく、カーテンのようなセンター分けだ。

 

まあきっと、直ぐに髪を切る。それまではカーテン分けでいよう。

そして残りの夏はデコで受けよう。