こしあん日記

MURAバんく。の土屋のぐるぐるとした日記である。

次の自分に渡すための

挨拶回りでタワレコ渋谷店さんへ訪れた。

 

ポップを書く時にただ自分のコメント書くだけならSNSで告知する時と一緒だ。ならば、店舗だからこその何かできないかなぁと考えていた。

 

そこで思いついた「MV一緒に見て頂けないでしょうか作戦」。なんとも図々しき提案だ。

しかし、店長さんにMVを見て頂き純粋に音楽と映像の感想を訊いてみたかった。

そして、その感想をポップに書いて頂けたら、より客観性も伴ったおもしろいポップになるのではないか…!と思ったのだ。

 

ところがどっこい、お店の混み具合も伺いながら、もし店長さんが動けたらだな…、なんとも図々しいお願いだが、舌を噛む思いでお願いしてみようか…と悩んでいたらお店に到着していた。

 

担当してくれた店長さんはとても優しかった。

その提案にも快く乗ってくださり、沢山感想も話してくださった。

 

「ルーツがディズニーにあるんですよ」と話すと、少し何か言葉を選ばれているような一瞬の沈黙の後に「やっぱですか…!」と店員さん。

控えたほうが良いかな?と言えなかったのですが、凄く子供向けな音楽にも感じました、と話してくださった。

やったぜい。今作はその方向性も託してあったのだ。

 

最近お子さんがテレビをよく見ているそうで、聴く音楽も必然的に子供番組の曲ばかりだそうで、そしてその音楽がかっこいいと店員さんは言った。

私もその番組をTVerで見ていたので盛り上がり、内側の物と外側の反応が一致して嬉しかった。

また、アイドル界隈にも精通されている方で話題は尽きず、ポップにも感想を描いて頂けた。

 

おおお、本当にありがたいことに凄く順調におもろな方に進んでいる…!

ポップが完成して、写真を撮りましょうと場を移った。

 

そして、内面事件は突如として勃発する──。

 

温かみのあるポップとにぎやかなジャケの新譜を手に持ち少しかがんだ。

はい、いきま〜す!

 

パシャッ!

 

ああ、普段バイト帰りに通ってる渋谷店にまさか置いてもらえるとは…!これは嬉しすぎる…!しかもタワレコなんて学生の頃から通ってた場所…!ありがたや、ありがたや…。

「こちら確認お願いします〜!」とウキウキで店員さんの手に収まる画面を覗き込んだ。

 

………暗い。

 

表情が、非常に暗いんだが!!!!!

 

え!なんで!?こんな心弾んでいるのに!

思わず「暗いっすね…」と独り言を放ってしまった。

すると店員さんは「ここ照明がよくないなもですね〜」と光量の話に切り替わった。

あっ!そっちもある!あ、たしかに!それかも!

私は胸中に転がる何かを遠くへ蹴っ飛ばした。

 

場所を移動して、また少しかがんで体制を整えた。

はい、いきま〜す!

 

パシャッ!

 

今度はより光量のあるポジションに移り、マスクも外して丁度良い塩梅の口角の上げ具合を試みた。

うん、これできっといい感じにな

 

暗い!!!!!!!!

暗いーーーーー!!!!!

なんでーーーーーーーーーーー!?

 

ハッとした。

昨日久々にゲームを6時間以上やったんだった…。

それもほとんど人と連絡も取らず。

え、実際に関係する…?

 

しかしながら、写真には明らかにthe・出不精アルカイックスマイルな自分が映っている。

一歩も外に出ず長時間ゲームをすれば、プレイングが戻れど比例して表情はこうもなってしまうのか。

 

トホホ、もういい!3回目を頼める身の程でもない!これでしょうがないだろう…!!くぅぅ、、、!

その後ネットに上がるだろうその表情に手を合わせながらその場を後にした。

ここまで付き合ってくださり「そんなことないですよ!」とフォローまでさせてしまった店員さんに菓子折りでも渡したい気持ちだ。

 

その後、移動する電車に揺れる中、なんで凄くショッキングだったのだろうかと考えた。

きっと客観的に見たらそんなに気にする程ではないのは分かっている。ならばいっそ、なんでこんなに内面世界がざわついているのか。

考える中で思い当たる正体がわかった。

 

それは、自分の内面の感情と外側の雰囲気の落差が予想以上に凄かったということであった。

胸中で蹴っ飛ばしたはずの物がまさに後頭部にクリティカルヒット!!アウッッチ!!!

 

たしかにライブ後やバタバタしている時の表情とは違った。通常時ほど過度すぎぬ程にスイッチをオンにすべきだったな。表情に限らず、こういうことって他にもあったりする。

つまりは、時によって"擬態をする"ということが大切だということだ。

 

これは、普段下向きなあなたにも、思わず明るくしすぎてしまうあなたにも言えることかもしれない。

擬態をすることにより、開ける運命線があるのかもしれない。

 

思い返せば、高校デビュー、大学デビューもまさに擬態をするレッスンだったのかもしれない。

冷笑社会に負けた当時の私は冷めた目で見てしまっていた。しかし、かつてそこをくぐり抜けてきた同級生たちは最早次の生活に居たりする。

一方私はタワレコにてthe・出不精アルカイックスマイルを決め込んでしまっているという話だ。(ファーーー!)

 

そこで、私はこの私で行く!!と開き直れたら良かったが今回はなぜかそうはいかなかった。

壮大すぎるかもしれないが、後の己の運命線を分けられるような事に感じたのだ。

 

おーーい!と遠くでぼやけた次の自分に何とかバトンを渡すには、きっとその擬態を繰り返すことが大切なのだ。

 

普段下向きでも前を向くように擬態してみたら、自分にある普遍的な自信にふと気づくきっかけになるかもしれない。

また、思わず明るくしてしまう時にも擬態で照れずに真剣さをより出してみたらチーム内の動きにも影響が出る可能性だってある。

 

もう、そんなんとっくに気づいている人ばかりなのかもしれない。

しかし、タワレコの店員さんと最後に話した約束を実現するためにはそれが大切だと思った。

 

とは言ったものの、写真写りに関してはそんなに変化は現れないかもしれない。

しかし、運命線だけはちゃんと引っ張っていけるように奥底にある自然をちゃんと表に出していきたい。